AutodeskのRevitプラグインを提供するAGA CAD(リトアニア)の専属販売代理店として2020年4月より業務提携しました。
<業務提携の背景>
AGA CADはリトアニアのAGA CAD社が提供する、Autodesk Revit向けのプラグインです。最大の特徴は、AGA CADの「precast concrete」を用いることで、PCa⼯法に特化したプラグインを利用できるということ。国内の建物現場では、近年東京の⾼層化、各地のタワマンブームによりPCa⼯法を用いる現場が増えています。しかし、これまで日本では、PCa工法に特化したBIMがなく、2次元CADを使って膨大な図面を作成する作業が必要でした。
AGA CADの「precast concrete」を利用すれば、3次元で建築モデルを構築でき、作業負担を大幅に軽減。PCa⼯法は現場での安全性向上や工期の短縮といったメリットを得られることから、建築に新たな可能性を提供することができます。
近年、建物の設計は2次元CADから3次元のBIM(building information modeling)へと変化し、設計情報のデータベース化が進んでいます。M&Fは、このデータベースを施工分野に応用し、施⼯の最適化を実現。生産性を高めることを目指しています。今回AGA CAD社との業務提携に至ったのも、こうした施工分野におけるソリューションを目指すためです。
<業務提携に向けて>
今回の業務提携に向けて、慣れない英語のやり取りや、⽂化の違い、認識の違いといったいくつかの課題が噴出しました。海外の建築と⽇本の建築は、⾒た⽬も中⾝も⼤きく異なり、図⾯の表現等が違う点も、苦労した部分です。
AGA CAD社はこうした課題を解決すべく、⽇本に合うようにソフトの⼀部を改良。また、AGA CADに関する知識やノウハウを提供するために、何度もウェビナーを開催してくれました。こうしたやり取りを繰り返す中で、互いに歩み寄り、良い関係性を築くことができました。
リトアニアに本社を置くRevit®プロフェッショナル向けの、世界で最も幅広い真のBIMソフトウェアの開発企業です(AGA CADは社名でありソフト名でもある)。世界130か国以上に13,000人以上のユーザーを抱えています。
AGACADのソリューションは、「BIMを一緒に構築する」という精神の中で、トッププラクティショナーの洞察を共有し、ベストプラクティスを自動化します。
焦点は3つの領域、
1.BIMコンテンツ管理と分類
2.プレハブ建設用のBIM
3.設備管理用のデジタルアセットインベントリとBIM
で、木構造(CLT、SIPS、および重木材フレームを含む)の設計のための高度なテクノロジー金属構造物(換気されたファサード、カーテンウォールとパネルを含む)、プレキャストコンクリート、ハンガーとサポート、MEP開口部、スプリンクラー、およびBIMデータ管理用の領域を得意としています。
AGA CADでは「precast concrete」を用いることで、PCa⼯法に特化したプラグインを利用できます。PCa⼯法は、従来までのRC在来⼯法に比べ、現場での安全性が格段に高まる点がメリットに挙げられます。日本の建築現場では、まだまだ作業員への負担が大きい危険な現場が少なくありません。AGA CADを用いてPCa工法がより普及すれば、危険な作業がなくなり、業界そのものに新しい変化を生み出すことができます。また、コストや品質の面でも優れた面が多く、今後も多様なアプローチを実現することができるツールです。