3DS MAXは、高品質な3Dモデリングやレンダリングが実現できる3DCGソフトです。
ゲーム業界やCG・クリエイティブ、アニメーション業界などで活用されるソフトですが、近年建築業界でも3DS MAXオペレーターの求人が急増しています。背景にあるのは、建築設計の3D化。
今回は、3DS MAXの概要や、建築業界で3DS MAXオペレーターが求められる理由について解説します。
3DS MAXとは?
3DS MAXとは、AUTODESK社が提供する高機能な3DCGソフトです。
アニメーションCGの制作や建築業界の完成予想図の制作に用いられており、ディテールの部分まで高品質にモデル化できることから、複雑なキャラクターやシーン、エフェクトなどの処理にも、柔軟かつスピーディーに対応してくれます。
また、豊富なプラグインを利用することで、機能を簡単に拡張することが可能。ソフトに関するスキルを学ぶための環境や教材も多く出回っているため、スキルを武器にクリエイティブシーンでの就職・転職に繋げることができます。
【3DS MAXの活用分野】
- 高品質なレンダリングで建築イメージを視覚化
- ゲームで巨大な世界を創造
- 内装やオブジェクトを細かいディテールまでモデリング
- アニメーションと VFX でキャラクターや特徴に命を吹き込む
建築業界で3DS MAXのオペレーター求人が増加
近年3DS MAXのオペレーター求人で増加傾向にあるのが、建築業界です。
3DS MAXのオペレーターはアニメ・ゲーム業界での活用が目立つ
これまで3DS MAXのオペレーターはアニメーションやゲーム業界の分野での活躍が目立っていました。これは、3DS MAXはアニメーション機能が充実しており、アニメやゲーム系のCG制作の分野で高いパフォーマンスを発揮するためです。
人気漫画を原作にアニメも大ヒットを記録した『鬼滅の刃』は3DS MAXを活用して製作が行われています。また、『君の名は。』や『天気の子』で一躍その名を知られることとなった新海誠監督も3DS MAXの使い手として有名です。
3ds Maxのみに対応したアニメーション系プラグインが多い点も、アニメ・ゲーム業界で存在感を発揮してきた理由でしょう。
建築設計の3D化が加速したことで3DS MAXオペレーターへの需要が急増した
では、建築業界で3DS MAXオペレーターが求められる理由はどこにあるのでしょうか?
建築分野ではこれまで、二次元(2D)の図面制作が一般的でした。しかし、二次元での情報は専門的な知識を持った技術者のスキルと経験に依存する傾向が強く、視覚情報としてもイメージしづらいといった課題がありました。
また、修正や追加を行う度にすべての図面を書き直さなければならないなど、業務効率の面でも課題が大きかったといえます。
そこで近年注目されているのが、三次元(3D)での図面制作です。三次元であれば、視覚情報としてイメージしやすく、クライアントや業者との打ち合わせでもより詳細なプレゼンやディスカッションを行うことができます。
また、3DS MAXのようにデジタルで作業を行えば、一箇所の修正が自動で図面反映され、あらたに図面を引き直すといった手間や時間を削減することが可能です。デジタルデータとして情報をクラウド上で管理すれば、場所や時間、環境を問わずフレキシブルな業務運営に繋げることができます。
このように、建築設計の分野では多くのメリットを持つ三次元化が急速に進んでいます。その担い手となる3DS MAXオペレーターの求人が増加するのは、自然な流れと呼べるでしょう。
建築業界の課題であった長時間労働や過度な属人性を軽減できる
また、建築業界で三次元への移行が進む理由として、かねてから業界の課題であった長時間労働の解消が挙げられます。
すでに述べたように、二次元の作業は作業効率が悪く、専門的な知識を持った人材へ仕事が偏る属人的な面が見受けられました。これは業界の悪習となっていた長時間労働に繋がり、新たな担い手を獲得する上でのネックともなってきました。
しかし、三次元化やデジタルシフトによる「働き方改革」が進めば、業界全体の業務効率が高まり、長時間労働や過度な属人性といった問題を一気に解決することができます。
まとめ
今回は3DS MAXの概要と、建築業界で3DS MAXオペレーターが求められる理由について解説しました。
建築業界では近年二次元での図面制作から、デジタルでの三次元の制作へと大きく舵を切っています。作業効率や過度な属人性といった課題を解決できる三次元の領域は、新時代の建築のスタンダートと呼べるもので、その担い手となる3DS MAXオペレーターへの期待も高まっています。
「デジタル建築」の分野は今後ますます成長が予想されますが、それに合わせて確かなスキルを身に付けることができる環境も重要となってきます。
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