Fuzorとは?BIM領域で存在感を増すツールの概要や特徴を解説

今回は、ビジュアルシミュレーションツールとして存在感を増しているFuzorの概要やツールの特徴についてご紹介します。

Fuzorとは?

元々はRevitのプラグインとして開発され、独自の3Dゲームエンジンを搭載することでよりグラフィカルなBIMモデリングの表現が可能となりました。高速のレンダリング機能やコラボレーション機能を搭載することで、建築現場での作業効率向上に大きく貢献しています。

海外では導入事例が多く国内でも導入が進む

FuzorはアメリカのKALLOCTECH社が開発に取り組み、現在はシンガポールに拠点を置くレッドスタック社がツールの提供を行っています。

レッドスタック社が本社を置くシンガポールは世界的なBIM先進国です。2014年には「スマート国家(Smart Nation)」構想を掲げ、BIMを用いて国土全体を3Dモデリング化する「バーチャル・シンガポール計画」が進められています。いわば国全体をBIM化する壮大な計画ですが、このプロジェクトでもFuzorが重要な役割を担っています。

また、アメリカではすでに600件を超える導入事例があるなど、海外ではBIM領域でたしかな地位を確立しています。日本国内でもレッドスタック社の日本法人・レッドスタックジャパンが2014年に設立され、ツールの導入が加速しています。

Fuzorの3つの特徴

では、Fuzorが建築業界において注目を集める理由を、3つのポイントから見ていきましょう。

特徴1.独自のゲームエンジンを搭載

Fuzorでは独自の3Dゲームエンジンが搭載されています。ゲームエンジンはこれまでゲーム制作の領域で利用されてきましたが、その高いグラフィック技術を建築技術に応用しようという動きが増えています。

これにより、従来よりもグラフィカルなBIMモデリングの表現が可能となった点や、データ変換・更新などの超高速処理を実現しました。また、FuzorはVRにも対応可能で、マイクロソフトの「ホロレンズ」などを使ってVR空間でのシミュレーションが行えます。

特徴2.高速のレンダリングとライブリンク機能

これまでレンダリング作業では、ファイルの変換や更新に半日以上かかるケースも少なくありませんでした。作業負担の軽減や時間の短縮が課題でしたが、Fuzorは独自のゲームエンジンを搭載することで高速のレンダリングを実現。データの大きなレンダリングでもリアルタイムで取り込み可能で、従来に比べ格段に作業効率がアップしました。

また、Fuzorは「Revit」「ArchiCAD」などのBIMソフトや、「SketchUp」「Rhinoceros」などのBIM設計ツールに対応しています。ライブリンク機能で読み込むことで、データをスムーズに読み込むことができます。Fuzorが中心となり複数のツールを統合することで、よりシームレスな作業環境を実現できます。

特徴3.コラボレーション機能

Fuzorには「P2Pコラボレーション」と「ワークシェアリングコラボレーション」の2種類のコラボレーション機能が搭載されています。

P2Pコラボレーションでは、ウォークスルーで複数人が同時にBIMモデル内を移動ながら、顧客や関係者内での情報共有を行うことができます。それぞれ修正個所に注釈を付けたり、タイムリーに情報交換しながら対話型のレビューが可能です。モデルへの修正や変更も、リアルタイムで参加者全員が確認できます。

ワークシェアリングコラボレーションでは、複数のユーザーが同時または別々の時間に変更を加えたモデルを、Fuzorのプロジェクトとしてサーバーにアップロードすることができます。進行状況をリアルタイムでチェックできるだけでなく、意思疎通がスムーズになることでより効率的な作業を実現できます。

M&FグループはAutodesk Authorize Training Centerの認定を取得

建築・設計分野において、高い利便性と汎用性を持つRevitをはじめとしたAutodeskシリーズですが、ソフトに関する専門的なスキルを習得し、現場で活用するためには体系的にスキルを学ぶ環境が必要です。

M&Fグループでは2018年に「Autodesk Authorize Training Center」の認定を取得。Autodeskのソフトウェア全般のトレーニング機能を社内に設けています。プロジェクトに携わるだけでなく、継続的にスキルを習得する環境を整えることで、より高いレベルでの技術習得や業務へのフィードバックに繋げていきます。

関連記事

カテゴリー

アーカイブ